世界に残された大樹の売買を背景にスペインの危機が語られる
★イシアル・ボリャインの長編7作目となる“El olivo”がブリュッセル映画祭の観客賞を受賞しました。今秋のラテンビート上映を期待して作品紹介をしたい。実にありふれたストーリーだが、ボリャイン映画はメッセージが明確である。「安っぽいメタファー」あるいは「既視感がある」などのマイナス評価を物ともしない強さが、観客の心を掴んでしまう。サンチャゴ・セグラの「トレンテ」シリーズやアメナバルの『アレクサンドリア』、またはJ・A・バヨナの『インポッシブル』のような大資本を使わずに、それなりの興行成績を上げている。つまり観客はこういう映画も必要としているということです。俳優を信頼してあまりリハーサルをしないタイプの監督、1シーン1ショットが好き、気配りがあって撮影が楽しいなどキャスト陣の好感度も高い。彼女自身も女優であるから俳優心理のメカニズムをよく知っているせいでしょうか。
*“El olivo”についての記事は、コチラ⇒2016年2月21日[LINK]
“El olivo”(“The Olive Tree
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