: 故郷に錦を飾るのは難しい。今は親友アントニオの妻になっている元恋人イレネから帰郷したことを詰られていましたが、せっかく忘れていた心の痛みをほじくり返され、あげく跳ねっ返り娘にまで被害が及んで気の毒でした。作家にしては想像力欠如というか、女心の機微が分からない、気難しいわりにはおスケベな小父さんでした。
B: しかし観客サービスも必要ですね。イレネの夫アントニオにしてみれば、遠路はるばるやってきて夫婦仲をかき回され、ただじゃおかないと仕返しのチャンスをヨワいオツムでフル回転させている。
(40年ぶりに会うダニエルとイレネ、映画から)
(笑顔だが内心面白くないアントニオと元恋人を取られて忸怩たる思いの作家)
A: ダニエルはノーベル賞をもらってから、5年間もスランプ状態、1作も書けないでいる。そんな折に生れ故郷サラスから「名誉市民」賞受賞の知らせが届く。
B: 40年前の母親の死をきっかけに故郷を捨てる。その10年後の父親の葬式にも帰郷しなかった。そんな恥知らずな男が故郷に帰ればどうなるか、ノーベル賞作家でも人間的にはクソったれだ、というわけです。
A: 人気に陰りが見えるサラス市長は、次の選挙に勝てる自信がない。勝利するには豪華な花火を打ち上げねばならない。いささか古いニュースたが、確かノーベル賞を貰った作家がいたはずだ。彼に名誉市民賞をやるのはどうだろう。
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