作かもしれません。妻を亡くしたばかりの初老の孤独な男にエクトル・アルテリオ、早熟で子供特有の攻撃性と嫉妬心を見事に演じた13歳の女の子にアナ・トレント、二人の複雑に絡み合った愛憎関係、誰からも理解されない無償の愛を描いた作品。民主主義移行期とはいえフランコ時代の残滓があった時代の映画としては斬新なテーマだった。1984年11月に開催された「第1回スペイン映画祭」(全10作)に『巣』の邦題で上映された後、1987年に上記のタイトル『エル・ニド』として公開されました。
(エクトル・アルテリオとアナ・トレント、『エル・ニド』から)
(日本語版のチラシ)
★この映画祭には『クエンカ事件』のピラール・ミロー監督を団長にフアン・アントニオ・バルデム、『血の婚礼』のカルロス・サウラ、『庭の悪魔』のマヌエル・グティエレス・アラゴン、『ミケルの死』のイマノル・ウリベ、『パスクアル・ドゥアルテ』のリカルド・フランコ、それにハイメ・デ・アルミニャンが各々自身の新作を携えて来日しました。この映画祭にはビクトル・エリセの『エル・スール 南』も上映されましたが、来日は翌年の公開まで待たされました。20世紀スペイン映画史に残る粒揃いだったことが分かります。
★アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされた「Mi querida senorita」(仮題「愛しのお嬢さま」)は、〈お嬢さま〉として育てられながら中年になって男性であることが分かり、性転換手術を受け、かつて女中として雇っていた若い女性に恋をするコメディ。女性が社会に出ることを求めていない教育制度のせいで、男性として生きようとするも仕事が見つからない。成人学級に入学して高等教育を受けるなどコメディ仕立てでカモフラージュされているが、性転換、タブーであった性的指向をテーマにしており、随所に社会批判が首をだす。フランコ検閲時代によく脚本がパスしたと思わずにいられない。脚本はホセ・ルイス・ボラウとの共同執筆、主役のホセ・ルイス・ロペス・バスケスがシカゴ映画祭1972
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