『ザ・キング・オブ・ハバナ』 エロスとタナトス *ラテンビート2015 E
2015-10-24


愛だけでは生きていけない・・・

 

アグスティ・ビリャロンガの新作『ザ・キング・オブ・ハバナ』には、社会から落ちこぼれてしまった人間の悲惨というより孤独や優しさゆえの脆さが充満していた。愛だけでは生きていけないのはどこでも同じだが、愛するゆえに一緒に暮らしていけないこともある。エロスとタナトスは紙一重、ハバナの特殊な時代の極貧がなくても起こりうる物語だ。性と生にもう一つの政が加わって、三つ巴の組んずほぐれつの悲喜劇が猛スペードで終盤まで疾走する。性と生と政は、『ザ・クラブ』や『選ばれし少女たち』のテーマでもあったが、本作がより鮮明であったように感じた。作品データ、原作者ぺドロ・フアン・グティエレスなどについてはアップ済みなので割愛します。(コチラ⇒2015917[LINK]

 

          忘れられた革命の落とし子の逞しさと脆さ

 

A: 撮影はICAICに拒否されたことで、急遽ドミニカ共和国のサン・ドミンゴに変更された。両方をご存知の方は違和感を感じたでしょうか。製作国とスタッフはスペインとドミニカ共和国、主なキャストはキューバ人という複雑な構成をしています。「あまりに人種差別的、性差別的、戯画化的、捉え方も表面的で悪すぎる」が拒否の理由でした。

B: 個人的には拒否するほどの内容じゃなかったと思う。監督の過去の作品を見ていたら分かったはずです。カストロ体制を批判しつづけている原作者ぺドロ・フアン・グティエレスに対する拒絶反応が作用したのではないか。

     

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